インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
感想
後半の「どう感じるか」「どう決断するのか」あたりはほとんど自分にも当てはまっている事柄で納得感が強い。「人ってこういうもんなんだな」というのを再認識できたのと、自分の単純さ(セオリー通りの人間…)がわかり面白かったです。よくできているアプリが実際にここに書かれているようなポイントを織り込んだ作りになっているなあ。新しいプロダクトを作るときはもちろん、普通に心理学として読んでも新たな気づきと出会える。
以下、自分用要約まとめ。
人はどう見るのか
目から受け取る情報と脳が私たちに伝える情報は微妙に違う
- ウェブページを閲覧する人は予想や期待とは違った見方をするかもしれない
- 表現の仕方次第では自分が希望する通りの捉え方をしてもらえない恐れもある
対象の「あらまし」をつかむのは中心視野より周辺視野の役目
2種類の視野
- 中心視野
- 対象を直視して詳細に見るときに使う領域
- 周辺視野
見えて入るものの直視しては居ない範囲
- ウェブページを閲覧する人たちの周辺視野に入るものも軽視してはいけない
- 注目してもらいたいものがあるときは点滅するもの、動画などを周辺市屋に置かないようにする
人はパターン認識でモノを識別する
- できるだけパターンを使おう
- グループ化や空白によってのパターン
- アイコン等はシンプルな図形を組み合わせたものにしよう
- 素早く容易に認識される
顔認識専門の脳領域がある
- 感情に訴える力がもっとも強いのは「こちらをまっすぐ見つめている顔」
- 自閉症の人は例外とする
- 画像の顔が見ているところを見る
物はやや上から斜めにみたカタチで思い浮かべる
- 標準的な視線から見て描かれた絵はモノは素早く認識でき、記憶もされやすい
- アイコンを使うなら標準的な視点で書いたものを使おう
人は過去の経験と要素に基づいて画面を見る
- いちばん重要な情報・注目してほしい物事は画面の上から1/3までの場所か、画面中央に置く
- 重要なことは端には置かない
- パターンで移動できるようにデザインする
- 大幅な移動を繰り返さなければいけないものは避ける
人は手がかりを探す
- その環境にあるものが見やすく、見つけやすい物である様、明確なアフォーダンスを発するよう配慮する
- 選択時やアクティブ時には陰影を示す
- ポインタを対象の上にもっていったときのみ現れる手がかりは使わない
人は視野の中の変化を見逃すことがある
- 画面上のものが必ずしも見てもらえるとは限らない
- 確実に気づいてもらうには、視覚に訴える点滅等の合図や聴覚に訴えるビープ音などを追加する
人は近くにあるものを同じグループだと思う
- ひとつのグループとして見てもらいたい要素はまとめて配置
- 線や囲みを使う前に要素同士の感覚を調整してみよう
- 関連ない要素は感覚を大きく取り、関連ある要素の感覚は詰める
赤と青を一緒に使うと目への刺激が強すぎる
- 青・緑を赤の近くに配置しない
男性の9%女性の0.5%が色覚異常
- 色覚異常の人にどう見えるかを確認しておく
- 特定の意味を色に持たせる場合、複数の体型を容易しましょう
- 赤にすると同時に線で囲む、など
- 色分けは、赤・緑・青は避ける
文化によって色の意味が変わる
- 見た人が思い浮かべる意味を配慮して選ぶ
- デザインの対象となる主な文化圏を選び、想定外の連想を招かないように確認しておく
人はどう読むのか
大文字がもともと読みにくいというものであるという説は間違いである
- 英語の場合、大文字ばかりで書かれた文章は大声を出しているような印象を与える
- 大文字だけによる表記やみだしは特別に注意を喚起する必要があるときだけ使う
読むことと理解することは同じではない
- 読む人がその中に記されている特定の情報を必ず記憶してくれると決めてはいけない
- 意味のある表題や見出しを -文章の難易度を対象とする読者に合わせる
- 幅広い読者に読んでもらうには短くて優しい単語を使う必要がある
パターン認識のおかげでフォントが異なっても同じ文字だと認識できる
- フォントのセリフとサンセリフは読みやすさは変わらない
- 珍しいフォントやカドの装飾的なフォントは読む速度が落ちる
- フォントが読みにくいと文章の内容が理解しにくい、実行しにくい、と判断される
文字の多い差は理解度を左右する
- 幅広い年齢層の人がラクに読めるよう十分な大きさの文字を選択する
- 英語は活字が大きく見えるようにエックスハイトの大きなフォントを使用する
PC上のものは紙に書かれたものより読みにくい
- PC上では大きな文字を
- 文を短く、パラグラフも短くし、箇条書きや写真を活用する
- コントラストの出せるも辞職と背景色を
- 最も読みやすいのは白い背景に黒い文字
- 読む価値のある内容に
人はどう記憶するのか
ワーキングメモリの限界
- 短期記憶 ワーキングメモリ
- 1分足らずの間だけ覚えておくときに使う記憶
- 集中していないと消えてしまう
- 画面が変わってもユーザーが情報を覚えてるとは限らない
- 前のページで読んだ情報を別のページで入力させたりしてはならない
- 忘れてほしくないなら課題を完了するまで他のことをさせない
一度に覚えられるのは4つだけ
- 提示する情報は4項目に限定したい
- 無理ならチャンク(-)に分ければもっと多くても構わない
- ひとつのチャンクに入れる項目は4つまで
情報を覚えておくには使うことが大切
- 覚えてほしいことがあれば何度も繰り返す
- スキーマ(関係を表現する枠組みや図式)の力
- 対象としている集団のもっているスキーマを見つけ出し理解すること
- 既存のスキーマに情報を結びつけることができれば記憶することが容易に
情報は重出すより認識するほうが簡単
- 全部覚えるより、スキーマから連想して考えだす方が簡単
- 関係ないものも入れてしまう「包含エラー」
- 想起よりも認識の方がはるかに簡単
記憶は知的資源を大量に消費する
記憶は混乱しやすい…
- 最後のほうのことのほうが思い出しやすい「親近性効果」
- 最初のほうのことのほうが覚えている「接尾効果」
- 具体的な言葉やアイコンの方が記憶に残る
- 発表などの中間部で示された情報は記憶されている可能性が低くなる
記憶は思い出すたびに再構築される
- 使う単語や言葉によって記憶は変化する
- 過去の行動の自己申告を信用しない
忘れるのはよいこと
- 何を忘れるかは無意識に決定
- ユーザーが忘れることを前提にデザインする
- 大事な情報はデザインの中に含めるか、すぐ見つけられるように準備しておく
鮮明な記憶でも間違っていることもある
- 心的外傷やドラマチックな出来事を詳細に記憶していること「閃光記憶」
- 記憶があまりに鮮明なので事実だと思ってしまう
人はどう考えるのか
情報は少ない程きちんと処理される
段階的開示
- 一度に少しずつ情報を提供することでユーザーが圧倒されてしまう自体を避け、さまざまなニーズに対応できる
- ユーザーは大まかな説明でいい人も、詳細をしりたい人もいる
クリックの回数は重要じゃない?
- クリックのたびに適度な情報を得ながら先へ進めるのであればクリックしていることを意識しない
- 何回クリックするかより、段階的開示を行う
- 逆にそうでないユーザーもいるので、求めているものは何かの調査は充分に行う
心的な処理には難しいものとやさしいものがある
認知>視覚>運動
- 画面上のものを見る(視覚負荷)
- ボタンを押したりマウスを動かしたりする(運動負荷)
心的な処理(認知負荷)
- 既存の製品の負荷を評価する
- 視覚的負荷や運動的負荷は増えるが認知負荷を減らせるという場合はそのような手法の採用も検討する
人は30%の時間はぼんやりしている
- 注意散漫のおかげでマルチタスク的な処理ができる
- リンクを使ってトピックからトピックへ素早く切り替えられるように
- ユーザーが注意散漫になったときでも「現在位置」がすぐにわかる仕組みを用意する
自身が無い人ほど自分の考えを主張する
- 人が信じ込んでいる考えを変えさせようとしても無駄
- 信念を変えさせる上で一番効果的な方法はちょっとしたことをやってみるようしむけること
- 人の考えに対し、論理的でない、支持できない、よくない選択肢、ということを突きつけると逆効果で相手の主張はますます強くなる
人はシステムを使う時メンタルモデルを作る
メンタルモデルとは?
- 物事が機能している仕組みをその人がどう理解しているかを表現したもの
- iPadで本を読むってどういうこと?一度も経験したことがなくても「メンタルモデル」を持つ
- 人は過去の経験に基づいてメンタルモデルを構築する
人は概念モデルとやり取りをする
概念モデルとは?
- 実際にシステムを利用するユーザーがUIに接することによって構築するモデル
- デザイナーはUIを設計し、そのUIを通じて製品の概念モデルをユーザーに伝える
- しっかり目標を設定してシステムの概念モデルを設計する
- 技術的な観点からすぐにできるものを作るのは避ける
- 直感的に使えるシステムを設計する秘訣はシステムの概念モデルをユーザーの概念モデルと一致させること
- 一致しないと思われる場合はメンタルモデルの構築に役立つトレーニングが必要
人は物語を使って情報をうまく処理する
- 物語は人が情報を処理するのに適した自然な形式
- 「因果関係の飛躍」を起こさせたければ物語を使う
- 物語を使えばわかりやすく興味深く記憶しやすくなる
人は例を使ってうまく学ぶ
- 何をすべきか、言葉で説明するだけでなく画像などをうまく利用する
- 実例を示す為に写真やスクショを利用する
- 短めのビデオを使い例をあげて説明すると更に効果的
人は分類せずにはいられない
ひとは分類を好む
- カテゴリが与えられないと自分で作る
- 誰が分類するかはそれほど重要ではない
- 未分類の情報があると人は圧倒され、自分で整理しようとする
- ユーザーのためにわかりやすく情報を整理する
- 一度に覚えられるのは4つだけ、というルールを忘れずに
- 各カテゴリの命名法(どう呼ぶか)もデータの整理方法に重要
時間は相対的である
- 時間に追われているときは立ち止まって他人を助けたりはしない
- 進行状況をインジケータで表示してユーザーが作業にかかる時間を把握できるようにする
- 作業に必要な時間を均一にして処理の所用時間を見積もれるように
- ステップをわけてユーザーが考える時間を短くする
- メンタルな処理は時間が長くかかるように感じてしまう
クリエイティブになるための4つの方法
創造性を育むための経験が積みたいならどのタイプを目標にするか決める
- 熟考的で認知的
- 高いレベルの知識と長い時間が必要
- 熟考的で感情的
- 静かな時間が必要
- 自然発生的で認知的
人は「フロー状態」に入る
フロー状態とは
- 何もかも忘れて没頭すること
- ゲームの設計等で重要
フロー状態を生み出すには
- 作業中の行動を本人にコントロールさせる
- 難しい作業は何段階に分ける
- 絶えずフィードバックを
- 気を散らす物は最小限に
文化は考え方に影響する
- 地域や文化的な背景が異なると異なった反応になる
- 世界全域で使われる製品の場合、ユーザー調査は複数地域で
人はどう注目するのか
注意力は選択的に働く
- 特定のことだけ注目し、ほかを無視するように指示するとそのとおりにできる
- 無意識に特定の情報を選別しようとする
情報は取捨選択される
- 情報を提供さえすれば注目してもらえるとは期待できない
- 思い込みは禁物
- 注目してもらいたい重要な部分に色・大きな文字・アニメ・動画・音声などを使用する
熟練の技は無意識に駆使できる
- 一連の手順を繰り返していると自動的にできるようになる
- 繰り返してもらいたい場合は簡単なものにする
- 直前の操作や全操作も簡単にやり直しができるようにデザインする
ある自体に対する注意力は頻発が予想されるか否かで決まる
- どれぐらいの頻度で発生するか、人は無意識にメンタルモデルを構築している
- 非常事態の発生を警告する機能をつける場合はすぐ気づくわかりやすい警告にする
注意力の持続時間は10分が限界
- 長くても7〜10分しか継続しないものと認識しておく
- それ以上集中しないといけないときは新しい情報に触れたり、休憩を入れてみたりする
- チュートリアルや動画は7分以内にする
人は「顕著な手がかり」にしか注目しない
- 顕著な手がかり=わかりやすい特徴
- 顕著な手がかりが目立つデザインに
マルチタスクは事実上不可能
- マルチタスク能力に老若は関係しない
- マルチタスクを人に強要しない
- やってもらう場合はミス多発を覚悟し、あとで修正する方法を組んでおく
危険・食べ物・セックス・動き・人の顔・物語、は注意を引きやすい
- 食べられる?セックスできる相手?殺しはしない?本能的な古い脳
- 好む好まざるに関わらず目がいってしまう
- 上記の事柄を扱えばかなり注目は集められる
- 顔のアップは注目される
- できるかぎり物語したてにする
大きな音には驚いて注目する
- アプリの場合、ユーザーが間違いを犯す、目標を達成する、お金を寄付する、場面は音を鳴らしてもいい
- 度合いに応じて適切に音を用いる
- ユーザーが慣れてくると気に留めなくなってしまうよう変化をつける
何かに注意を向けるにはまずそれを知覚する必要がある
- 何かを検出するシステムをデザインする場合、信号検出理論による分類を参考に
- 「誤警報」と「ミス」はどちらのほうがユーザーに損害が大きいか?
- 「誤警報」で起こりえる損害のほうが顕著であればシグナルを押さえ気味に、「ミス」で起こりえる損害のほうが顕著であればシグナルを強めに
人はどうすればやる気になるのか
目標に近づく程「やる気」が出る
- 何が終わったかより何が残っているかに注目しがち
- 前進の幻想を与えるだけで達成への動機付け効果が得られる
- ポイントを溜め始めるとそれを楽しむようになる
- 達成されるとやる気や購入金額は急速に落ち込む
- 報酬を獲得した直後が離れて行く危険性が最も高い
報酬に変化があるほうが強力
- オペラント条件付けが機能する為には、強化刺激(報酬)として対象とする人がほしがる物を選ぶ
- 本当に欲しい物かの見極め
- ユーザーの行動パターンに合わせて強化スケジュールを組み立てる
ドーパミンが情報探索中毒を招く
- 人は情報を探索し続けようとする
- Twitter・メール・検索
- 情報を見つけやすくすればするほど、ユーザーは情報探索にのめり込みやすくなる
人は予測ができないと探索を続ける
- 予測ができない出来事もドーパミンシステムの刺激になる
- メールが届きましたの画面や、バッチの印など
- ドーパミンシステムが刺激され続けると疲れるので電源を落としたり、通知音を消したりする
- 音の通知と情報の到着を結合させると探索欲求が増強される
- 情報を少しだけ与え、更に情報を得る為の手段を提供すると情報探索行動が増加する
「内的報酬」の方が「外的報酬」よりもやる気が出る
- 外的報酬(前もってきちんと説明されている特定の行動に対する報酬)では報酬が与えられないと行動が減少する
- お金でも何でも外的報酬が報酬として優れていると思っては行けない
- 外的報酬ではなく、内的報酬がないか探す
- 外的報酬を与える場合、予期しない物である方がやる気を起こさせる
進歩や熟達によりやる気が出る
- 定着やリピーターが増えることを目指すなら、報酬が与えられるような仕組みではなく、本能的にやりたいと思わせる仕組みを用意する必要がある
- 友達と繋がる、新しいことを習得する
- 退屈な作業の場合、その作業が退屈であることを認め、好きなやり方で行うのをゆるすことでやる気をそぐのが防げる
- 目標を設定し、達成の経過を追える仕組みを考える
- 目標に向かって進んでいることを目に見えるカタチで提示する
欲しいものが我慢できるかどうかは幼少期に決まる
- 欲しい物を我慢できる人とそうでない人がいる
- 我慢できない人はモノの希少性を示す情報(残り3個!)などに触れるとすぐ手を出してしまいがち
人は本来怠慢な生き物である
- ユーザーはだいたいのWebサイトを「眺めているだけ」
- ほんの1〜2秒見たときに受ける印象だけで使いやすそうかの判断をしている
近道は簡単に見つかるときしかしない
- 覚えやすく、見つけやすく、使いやすいショートカットを設定する
- デフォルトを設定する
- ユーザーが一般に望んでいるデフォルトが何であるかがわかっている場合や、うっかりデフォルトを選択しても致命的なミスを犯さない場合のみ
人の行動は「性格だ」と判断されがちである
- 人災の犠牲者より自然災害の犠牲者に対する寄付の方が積極的に行われる
- 原因が人であることを強く意識する傾向
- ユーザーインタビューする場合、解答内容の処理や分析で「根本的な帰属の誤り」をしないように気をつける
- 自分が先入観を抱いていないか別の観点から検証する
習慣は長い時間をかけ徐々に形成される
- 習慣化するまでに平均66日かかる
- 習慣化が早い行為もある(運動する<食後にフルーツを食べる)
- 1日さぼっても習慣化は遅れないけど2日以上さぼると遅れが生じる
- ためらわず自分を多めに見よう
競争意欲はライバルが少ないときに増す
- 競争でやる気は増すが過度の競争は避けた方がよい
- ライバルが10人以上居ることがわかると競争意欲が低下する可能性
人は自律性をモチベーションにして行動する
- 自律性がやる気の源となるのは自分がコントロールしている気になるため
- 人は自分が主体となって何かをしたいという強い気持ちがある
- セルフサービス的な機能を拡張する場合、自分ひとりでできる範囲を広げる方向を目指す
人は社会的な動物である
「強い絆」を有する集団の規模の上限は150人
集団の上限=ダンバー数=約150人
- 安定した社会的関係には限界がある
- 大事なのは弱い繫がり
- 周囲に「仲間」がいないと疎外感・孤独感・ストレスを感じる可能性がある
- 「強いつながり」を目指す場合は物理的な近さをひとつの要素として組込み、参加者がネットワーク内で相互にやりとりして理解し合えるようにする
- 「弱いつながり」を目指す場合は人と人の直接的なコミュニケーションや物理的な近さに依存しないようにする
人には生来模倣と共感の能力が備わっている
共感能力をつかさどるミラーニューロン
- 他者の経験をそっくりそのまま経験することによって相手の気持ちを深く理解できる
- 相手のジェスチャーを真似ると好感度アップ
- やらせたいことがあるのなら、それを直接的に見せると効果的(動画を見せる等
「同じ釜の飯を食った仲間」の絆は強い
幸せになるには動機的な活動が必要
- 同期活動(他人と一緒に同じ行動をとること)には結束を強める効果
- SNSの交流は非同期なので、同期活動への参加意欲を満たすことは出来ない
- ビデオやオーディオを利用して同期活動を取り組むという可能性も検討する
オンラインでの交流においては社会的なルールの遵守を期待する
- ウェブサイトやアプリケーションをデザインするときはユーザーとのやり取りに配慮する必要がある
- 人間同士の交流のルールに従っている?
- ユーザービリティデザインの基本原則を守ればそうした想定から大きく外れることは無い
嘘の度合いは伝達手段によって変わる
- 嘘をつくのがいちばん多いのは電話、最も少ないのはメール
- 手書きよりメールの方が他者に否定的になる
- アンケートやフィードバックは電話だと正確な回答が得られないかも
- 一番正確なのは対面
話し手の脳と聞き手の脳は同期する
- 人の話をきいているときはその話の理解を助けるような特有の脳の同期が起きている
- 相手に情報を正確に理解してほしい場合は読んでもらうだけでんく、それを補強する方法も考慮する
脳は親しい人には特別な反応を示す
- SNSは親しい人との間をとりもつタイプのものと、未知の人との新しい関係を作り出すタイプのものなど、見分けることが大事
- 親しい人との間をとりもつタイプのSNSのほうが頻繁に長く使うもの(Facebookとかまさにそうぽい
笑いは絆を生む
- インターネットのやりとりでも笑いを伝えられるようなものであれば今まで以上に絆を強めることができる
- 相手に笑ってほしければ自分から笑うこと。笑いは伝染する。
笑顔の真偽は動画の方が判別しやすい
- 動画の笑顔には注意。本物と偽物の区別がつきやすい。信頼度が下がる可能性も
- 人は目だけでなく、顔の他の部分もいろいろ見て区別している
- 笑顔がほんものだと思えるときは信頼関係が生じる
人はどう感じるのか
7つの基本的な感情は万国共通
- 喜び・悲しみ・軽蔑・恐れ・嫌悪・驚き・怒り
- サイトに人の写真を使う等する場合は基本感情のひとつを使い、誤解を生むこと無く明確に伝える
- 真実みのあるしゃしんを
- 心理的な切り口に基づいた特徴「サイコグラフィックス」
- 職業など社会的経済的な切り口に基づいた特徴「デモグラフィックス」
感情と筋肉の動きは深く結びついている
- 製品や作品を見てもらう場合、相手が抱く感情を先に検討しておく
- 次にとる行動に影響が及ぶかも?
- 意図しない表情をさせてしまうことによって製品などに対して抱く感情が変わってしまう可能性
- そんなときはその後に幸せそうなビデオ等を見せるとミラーニューロンにより気分も次にとる行動も変わる
データより物語の方が説得力がある
- 物語は感情的に訴える力が強い
- データの代わりに物語を加える方がいい場合も?
匂いは感情や記憶を呼び起こす
- 将来的には「感情に影響を与える香りの設計」がUX担当デザイナーの必須技術のひとつになるかも!!
人は思いがけないことを楽しむようプログラムされている
- 今までになかったもの、新しいものは人の注意を引く
- 予想外のものを提供すると、注意を引くだけでなく楽しい気持ちを引き起こせる
- 何か新しいことに挑戦してもらいたい場合や、再訪してもらいたい場合は、新しく予想外のコンテンツやインタラクションを提供すると効果的
人は忙しい方が満足感を感じる
- 人には口実が必要
- 人は何もしないでいることを好まない
- 「価値ある作業」とみなされるものであることが必要
- 「時間つぶしの作業」だと見抜いたら何もしない方を選ぶ
- 待ち時間が伴う場合、飽きずにやってもらえることを用意する
牧歌的な風景を見ると幸せな気分になる
- 人は牧歌的な風景を好む
- ネットで見る場合と実際に眺めたりそういう場所を歩く場合とでは違った効果
人はまず「見た目」と「感じ」で信用するか否かを決める
- 人は「信用できない」という判断を素早く下す
- 拒絶すべきものを排除してから残ったものについて信用すべきかどうかの検討に入る
- 色やフォント、レイアウト、ナビゲーションなどのデザイン要素がきわめて重要
- 次いでサイトの内容と信憑性
大好きな音楽でドーパミンが放出
- 音楽の好みは十人十色
- 製品や活動にも音楽を使ったり追加したりすれば楽しめるばかりかハマってしまう人まで出るかもしれない ->ピタゴラスイッチとかそうかも?
達成が難しいことほど愛着を感じる
- ことによっては、製品やアプリを使いにくくする。そうすればユーザーは苦心した分かえって愛着を感じてくれる
- コミュニティを大勢の人に利用してもらいたければ、加入手続きを複雑にしてみてもよいかも ->mixiの招待制とかそうだったかも?
将来の出来事に対する自分の反応を大げさに予測する傾向
- ユーザーの「製品やデザインを変えてくれたらとてもうれしい!」とか「こんな風に変えたら二度と使わない!」を鵜呑みにしない
- ユーザーの反応は本人が思っている程強いものではない
出来事の最中よりその前後の方が前向き
素晴らしい休暇を過ごして楽しい思い出を作る方法
- 長い休暇を1回より、短い休暇を何回か取った方が楽しめる
- 長期記憶に影響するのは、休暇の最初や半ばより締めくくり
- 強烈な体験や至高体験をするとプラスのものでなくてもその旅行は楽しい思い出として記憶に残る可能性
- 旅行に邪魔が入るとそれ以外の部分の印象がかえってよくなる
ポイント
- 計画を練るのにかかる時間を長くすればするほどその時間をユーザーは楽しめる
- ユーザーがアプリ等を使用している最中より2〜3日後の方が好意的な評価が得られる
悲しみや不安を感じているときはなじみものがありがたい
- ブランドは近道
- そのブランドに関して過去にプラスの経験をしていると「安全」の信号になる
- オンラインで買い物するときはブランドが大きな影響力を持つ
間違えない人はいない
人間にノーミスはあり得ないし問題ゼロの製品も存在しない
- 起こりえる誤りの種類や内容を事前に考えておく
- 設計後にプロトタイプを作り人に使ってもらってどのような誤りが起こりえるか見る
- 想定されるユーザーにやってもらう必要
- エラーメッセージは平易な言葉を使い、明快に書く
ストレスを感じているときには間違いを犯しやすい
- 退屈な作業をしているときは音や色・動きなどで覚醒レベルと上げるとよい
- 難しい作業をしているときは音や色・動きなど気の散る要素をのぞいてストレスを下げる必要
- 熟達した人でもストレスがかかると足を引っ張られてうまくいかかないこともある
エラーはすべて悪いとは限らない
- ユーザーテストの際におこったエラーを記録しておく
エラーのタイプは予測できる
- ユーザーテストやユーザー観察を行う前に危険度が最大と思われる間違いを見極めておく
- ユーザーがどのような種類の間違いを犯すか、に関するデータを集める
- 自己や人名の損失につながりかねない分野ではHFACSのようなシステムを使ってエラーを解析し防止すべき
エラーの対処法は様々
エラーを修正する為にとられる手法
- 系統計探索
- エラーを正すために計画的に手順を踏んで行くこと
- 試行錯誤的探索
- やみくもにさまざまな選択肢をためす
- 固定的探索
- エラーが修正できないにもかかわらず同じ動作を何度も繰り返す
ポイント
- 年配者は異なる方法をとったり、時間が余計にかかったりするかもしれないけど若者と同じ作業をこなせる場合もある
- 初心者と熟練者の違いも考慮する
人はどう決断するのか
まず無意識が気づく
- 人は危険の兆候を無意識に察知反応する
- 無意識は意識より早い
人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報をほしがる
- 選択肢が多すぎると思考が麻痺してしまう
- 選択肢を多くしたいという誘惑に負けてはいけない
- 希望する選択肢の数を尋ねると「たくさん」「全部」といった答えが返ってくる
- 選択肢の数は3〜4に絞る
選択肢が多いほうが思い通りになっていると感じる
- 人は「自分の行動には影響力があり、自分は決定権を握っている」と思いたがる
- 一旦て移用した選択肢を取り上げると相手は不満を抱く。バージョンアップしても前の方法をいくつか残しておいたほうが無難。
「お金」より「時間」
- メッセージの内容が「時間」に関するものだと客もお金も多くなり、「お金」に関するものだと少なくなる
- 親近感をもったときのほうが購買意欲が強くなり使う金額も多くなり満足度も高くなる
- お金のことを持ち出すのは極力避ける
意思決定には気分も影響
- 直感的に判断する人もいれば、論理的に考えた上で判断する人もいる
- 短いビデオなどを利用すれば相手の気分を左右することが比較的簡単にできる
- 楽しい気分の人には素早く直感で決断するようにもとめれば製品を高く評価してくれる
- 悲しい気分の人にはじっくりかんがえて決断するように求めれば製品を高く評価してくれる
グループによる意思決定は必ずしも的確ではない
- 他のメンバーの意見を知る前に関係する情報そのものについて各人がひとりで考える時間をとる ->KPTのやつとかもそう?
- 意見交換が始まったら相違点を議論する時間を充分に取る
人は支配的な人物に影響される
- グループで話し合って何かを決めるときは再所為提案された解決法に飛びつくことのないように注意する
確信が無いときは人任せにする
- 人は(特に確信がもてないとき)他の人の言動に影響されやすい
- ユーザーの行動に影響を与えたいときは推薦文や評価レビューを活用しましょう
- 評価を書き込んだ人についての情報を多く添えれば添える程その評価の影響力は強くなる
他人は自分より影響を受けやすいと考える
- 誰もが無意識のレベルで影響を受ける
- たいていは影響を受けていることを自覚していない
目の前にある品物のほうが高値に
- 実際の店舗は品揃えがよければネットショップにたいして優位を保つことができる
- ガラスケースに入れられている等の障害があると進んで払おうと思う金額が下がってしまう恐れあり