チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
感想
これからチームを持つ、チーミングを必要とする人におすすめ。特にプレイヤーからマネジメント側に回る人は必読。自分はまさにこれからチームでプロダクトに関わって行く、というタイミングだったので適切な内容だった。若干冗長なので半分ぐらいまで読めばだいたい内容は掴めるという感じチリ鉱山落盤事故救出チームの話など挙げられている事例もチーミングを具体的にイメージしやすい。チームで協力し成果を出したい、という想いに沿った本なので読むだけに留まらせずぜひ経験と共に習得していきたい内容。
自分のチームは若いメンバーで構成されているのだが、そういうメンバーにどういう形でチーミングしていくか?において、特に信頼関係を築いていく上で「心理的安全な場」の章は実践でも非常に役立った。チーミングのスキルはひとりで習得できるものではないので実際に今のチーム内で試行し、お互い尊敬しつつ安心して成果を上げるチームを目指していきたいです。
以下、自分用要約まとめ。
チーミング
新しい働き方
チーミングは動詞である
- めまぐるしく変わる職場環境に必要なのはチーミングの仕方を知ってる人
- 時間や場所を選ばず行動するスキルと柔軟性とを持っている人
- チーミングを促進するために、リーダーは自分がリードする人たちを信頼しなければならない
- 必要とされるのはダイナミックで柔軟性のあるチーム
学習とイノベーションと競争の為のチーミング
効果的なチーミングの4つの柱
- ◆率直に意見を言う
- ◆協働する(協力する・尊敬し合う・目標を共有する
- ◆試みる(うまくいくことを期待しない
- ◆省察する(形だけのプロセスではなくもっと行動本意
対立が激化するとき
- ◆対立の性質を見極める(有益と生産的でないものの理解
- ◆優れたコミュニケーションを具現化(激しい衝突が起きているときにうまく図ると意見と思慮深い質問とを結びつけることが出来る
- ◆共通の目標を明らかにする(尊敬の念を損なう根本的な帰属の誤りを克服し信頼し合う環境へ
- ◆難しい会話から逃げずに取り組む(本物の会話
- 問題を別の観点から見ると激しい対立をクールダウンさせるのに効果的
チーミングを促進するリーダーシップ行動
- 行動1:学習する為の骨組みをつくる
- 行動2:心理的安全な場をつくる
- 行動3:失敗から学ぶ
- 行動4:職業的、文化的境界をつなぐ
学習するための組織作り
フレーミングの力
リーダーの役割
- 質問し、耳を傾け、学習する
- 自分と他のメンバーが相互依存の関係にあることを自ら実感していると伝える
- 自分も間違う場合があるということを述べる
- 恊働する必要性をはっきり示す
学習フレームを強固にするリーダーシップ戦術
- 言葉と目を使った会話
- 望ましい対人行動及び協調的行動についてせつめいしたり手本を示す
- 具体的な言葉を使って説明する
心理的に安全な場をつくる
職場環境における対人リスク
- ◆無知だと思われる不安
- ◆無能だと思われる不安
- ◆ネガティブだと思われる不安
- ◆邪魔をする人だと思われる不安
チーミングと学習にとっての心理的安全
- 率直に話すことが奨励される
- 考えが明晰になる
- 意義のある対立が後押しされる
- 失敗が緩和される
- イノベーションが促される
- 成功という目標を追求する上での障害が取り除かれる
- 責任が向上する
心理的安全を高めるためのリーダーの行動
- 直接話のできる、親しみやすい人になる
- 現在持っている知識の限界を認める
- 自分もよく間違うことを積極的に示す
- 参加を促す
- 失敗は学習する機会であることを強調する
- 具体的な言葉を使う
- 境界を設ける
- 境界を越えたことについてメンバーに責任を負わせる
学習しながら実行する
- 学習しながら実行する場合、リーダーは答えを与えるのではなく、方向性を定める
- 方向性を定めるとは、その組織にとって最も重要な優先事項を述べることである